医療法人喜多岡医院
 
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トピックス

認知症 dementia

物忘れの症状

 平成14年厚生労働省の調査によりますと、認知症高齢者数は約150万人ですが、平成37年には約320万人になると推計されております。また、平成27年には、「ベビーブーム世代」が前期高齢者(65〜74歳)に到達し、その10年後には高齢者人口は約3500万人に達すると報告されており、今後も認知症患者が増えると考えられます。

認知症とは

 認知症とは、「いったん発達した知的機能が低下して、何らかの原因により脳が破壊されて、社会生活や職業生活に支障をきたす状態まで低下しているという状態」と定義されています。

 認知症による初期症状には「物忘れ」があります。年を重ねるにつれ、人の名前が思いだせないなどの「物忘れ」が多くなります。このような「もの忘れ」について自覚していたり、生活上支障がない場合は、自然な老化によっておこる「物忘れ」で、特に治療の必要はありません。

物忘れと認知症の違い


老化による物忘れ 認知症物忘れ
体験の一部分を忘れる 体験全体を忘れる
ヒントを与えられると思いだせる 新しい出来事を記憶できない
ヒントを与えられても思い出せない
時間や場所など見当がつく 時間や場所などの見当がつかない
日常生活に支障はない 日常生活に支障がある
物忘れに対して自覚がある 物忘れに対して自覚がない

(監修:認知症介護研究センター 長谷川和夫)

認知所の原因となる可能性がある病気

認知症の原因となる病気の多くは、「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。

◎アルツハイマー型認知症
脳の神経細胞が普通の老化に比べて早いスピードで減少し、脳が萎縮して、知能の低下や人格の崩壊など、脳の神経細胞そのものの機能低下により認知症になる。
◎ 脳血管性認知症
脳の血管が詰まったり、破れたりしたために、脳が壊死に陥った状態で認知症になる。
  
−その他原因となる病気−
根本的に治療が困難 ピック病、レビー小体病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病脊髄小脳変性症などの変性疾患
予防が重要な病気 多発性脳梗塞、脳出血、ビンスワンガー病などの血管障害
治療が困難な病気 正常圧水頭症、慢性硬膜化血腫、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症、脳炎、髄膜炎

出典:田邊敬貴著 「痴呆の症候学 医学書院」

アルツハイマー病とは…

 健康成人でも加齢により脳萎縮がみられますが、アルツハイマー病では、特に記憶をつかさどる海馬領域や側頭葉の萎縮がより高度に見られるのが特徴的です。

 また、徐々に始まり、ゆっくりと進行するのが一般的とされていて、50歳代前後では進行が早く、70歳代後半以降に発病したら、進行が遅いといわれています。

アルツハイマー病の症状と進行

          
第一期
(発病後1〜3年)
記銘力障害、記憶障害
  • 物忘れ
  • 特定のところ以外は電話できない
  • 服薬の管理は困難
  • 銀行通帳管理は困難
  • 時に抑うつ
第二期
(発病後2〜数年)
見当識障害、実行機能障害、失認、性格の変化、暴言・暴力行為
  • 日常生活でも介助が必要
  • 気候にあった服を選んで着れない
  • 買い物ができない・家事ができない
  • 近所で迷子になる
第三期
(発病後8〜10年以上)
失語、失行、幻覚、妄想、失禁、徘徊
  • 不適切な着衣・着衣に介助が必要
  • 靴ひも、ネクタイが結べない
寝たきり、嚥下障害、膀胱直腸障害

認知症の診断と治療

 現在、認知症の中核症状である記憶障害を改善する医学的治療法は、残念ながらありません。ただ、軽度のアルツハイマー病では、薬物治療により中等度、高度への進行を遅らせることができます。

 認知症の診断は、まず、患者さんや家族の方から問診を中心に行います。 その他、一般的身体検査、血液検査、尿検査、脳画像診断検査(CT・MRI・X線検査・PET)をします。

 また、認知症の中核症状として、記憶障害、見当識障害、妄想、抑うつなどの症状が見られるため、評価スケールを使い心理検査を行います。

評価スケールの種類
診断の様子
  • MMSE(認知症の有無)
  • HDS−R(改定長谷川式簡易知能評価スケール)
  • ADAS−cog(認知機能の評価)
  • FAST・CDR(重症度)

 治療には、リハビリテーション治療、介護治療、心理療法として、回想法やリアリティオリエンテーション、アニマルアシスドセラピー、音楽療法などがあげられます。

 また、薬物療法では、認知症の周辺症状である幻覚、妄想、いらだち、うつ状態、攻撃性、暴力などの症状を抑制する向精神薬が効果を発揮します。

予防

 生活習慣を見直すことで、認知症の発症率が下がることが厚生労働省の研究で分かりました。

赤ワイン・野菜・魚

 食生活では、魚(脂肪酸のEPA・DHA)、野菜(ビタミンE、ビタミンC、ベーターカロテン)を摂取し、赤ワインに含まれるポリフェノールの摂取も認知症の予防に良いと言われています。

 バランスのよい食事、適度な運動、禁煙、くよくよしないで明るい気分で規則正しい生活でを送りましょう。また、「読む・書く・計算する」ことで、思考やコミュニケーション、行動の抑制をつかさどる脳の前頭前野を活性化しましょう。


早期発見

 「もしかしたら、認知症かな・・・」と思っても、年齢のせいにして放置したままでいると、患者さんの症状は進行する一方です。 安易な自己診断を行わず、患者さん・家族自身のためにも出来るだけ早く専門医に相談し、正式な診断をしてもらいましょう。

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