医療法人喜多岡医院
 
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トピックス

H5N1亜型インフルエンザウイルス
 Influenza A virus subtype H5N1

※ 通常のインフルエンザウイルスについては過去のトピックスをご覧下さい。

H5N1亜型インフルエンザとは?

 H5N1亜型インフルエンザウィルスは、A型インフルエンザウィルスの亜種の一つです。

 A型ウイルスは、ヒトを含むほ乳類や鳥類に広く分布し、水禽(すいきん)、特にカモを宿主とするウイルスが起源であると考えられています。
 これらのインフルエンザウイルスは、水禽では通常腸管に存在して共存を図っており、宿主自体に病原性を示すことはほとんどありませんが、ニワトリなどの家禽(かきん)に感染して初めて病原性を発揮することがあります。
 中でも、鳥に対して死亡するほど重い症状を引き起こすようなウイルスを「高病原性鳥インフルエンザウイルス」といいます。

ヒトも鳥インフルエンザウイルスに感染するの?
鳥インフルエンザウイルスの感染経路

 かつては「ヒトは鳥インフルエンザウイルスに対する受容体を持っていないため、これには感染しない」と考えられていました。しかし実際には、病気にかかった鳥や鳥の死がいの排泄物や体液に直に触れるなど、大量のウイルスに接触することでヒトに感染してしまったケースが過去にも報告されています。
 最近の研究によれば、鳥インフルエンザウイルスに対する受容体がヒトにも存在することが示されているものの、その受容体のある場所が肺の深部であることから、ヒトからヒトへの感染効率は極めて低いとする説もあります。

 しかし、この鳥インフルエンザウイルスが、ヒトに対して高い病原性を示す新しいウイルスに変化する可能性があります。


新しいウイルスに変化するってどういうこと?
鳥インフルエンザウイルスの侵入
免疫機能による防御
新型インフルエンザウイルスの発生
新型インフルエンザウイルスの増殖

 ヒトや鳥などの生き物に接触したウイルスは、その宿主の細胞の中に入り込み、細胞のエネルギーを利用して自分そっくりの分身をコピーしようとします。細胞内のウイルスが大量に増えると、細胞本来の機能が正常に働かなくなったり、細胞自体が壊されたりすることにより、体に様々な悪影響を及ぼすようになります。また、壊れた細胞からは大量のウイルスが放出され、他の細胞へと次々に感染していきます。

 生き物の体には、こうした事態に対抗するための仕組みが備わっています。代表的なのが、血液中を流れる白血球の働きです。

 体にウイルスが侵入すると、まずリンパ球などの白血球はウイルスやウイルスに感染した細胞を攻撃し、破壊する力を身につけます。
 そして増殖を繰り返して体を占領しようとするウイルスと、これらを排除しようとする体との戦いが始まります。

 体側がこの戦いに勝つと、リンパ球は侵入したウイルスの情報を記憶し、次に同じウイルスが感染した時には、より早く、より効果的に対処できるようになります(この仕組みを「免疫」と呼びます)。
 この仕組みを利用したのが、病院や保健所などで行なわれる予防接種です。毒性をなくした(または弱めた)ウイルスを元に作られたワクチンを体の中に注入することで、それぞれのウイルスに対する抵抗力をつけることができます。

 ところが、体内に侵入したインフルエンザウイルスが自己のコピーを繰り返しているうちに、違う形質を持つインフルエンザウイルスが偶然生まれてしまうことがごくまれにあります(この現象を「突然変異」と呼びます)。ウイルス側からみれば、自分自身のコピーにうっかり失敗して自分とは異なる存在を作り出してしまう事態といえます。

 このようにして生まれた新型のインフルエンザウイルスは宿主の体にとっても全く未知の存在であるため、免疫が有効に働かず、ウイルスの大量増殖を許してしまう可能性が非常に高いのです。


でも鳥インフルエンザって、ヒトには感染しにくいんじゃ?
新型インフルエンザウイルスの世界的大流行(パンデミック)

 新型インフルエンザウイルスは突然変異という現象による偶然の産物であり、実際にいつ、どこで、どのような形質のウイルスとして発生するか誰にも分かりません。

 しかし、もし新しいウイルスがヒトからヒトへ感染する力を持っていた場合、大抵のヒトはこのウイルスに対する免疫を持っていませんので、容易に蔓延する恐れがあります。また、従来のワクチンで予防できる保証はありませんし、実際に新型インフルエンザウイルスの発生が確認されなければ、有効なワクチンが開発・製造されることもありません。
 そのため、新型インフルエンザウイルスが世に出ることによって、非常に広い範囲で、それこそ世界規模で大流行してしまう非常事態(パンデミック)が危惧されています。

 ヒトや鳥への感染力を持つA型インフルエンザウイルスの中でも、近年アジアを中心に流行し、ある種の抗インフルエンザウイルス薬に対して耐性を持っていることが確認されているH5N1亜型インフルエンザウィルスは、近い将来パンデミックウイルスを生み出す可能性が最も高いと指摘する声があります。

予防・対処の方法

 H5N1亜型インフルエンザウイルスの予防策や、実際にかかってしまった時の対処法は、基本的には通常のインフルエンザと同じですが、万が一新型インフルエンザウイルスに罹ってしまったとしても、それを表面上の症状から判別するのは容易ではありません。
 いずれにしても、インフルエンザに罹ってしまった疑いのある場合は「できるだけ他のヒトにうつさない」よう、以下の点に注意する必要があります。

  • 症状が悪化する前に、早めに医師に相談する。
  • できるだけ余計な外出を控える。
    特に電車内や市街地など人が集まる場所には近づかないようにする。
  • 屋内・屋外にかかわらず、できるだけマスクを着ける。
    また人前で咳をする際には、ティッシュで口と鼻を押さえる、顔をそむける、1メートル以上離れるなど、他人に飛沫がかからないように「咳エチケット」を徹底する。
  • ビニル袋をかぶせた蓋付きのゴミ箱を用意し、鼻水やたんを含むティッシュはそこに捨てるようにする。
    ビニル袋を捨てる際は、袋の口をしっかり縛るなどして袋を密閉し、捨てた後は手をしっかり洗うこと。

参考リンク

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